- 2011.08.31
- 関の考え方
原子力発電の論点整理「第九回 他の発電方法 (2)火力発電 ③天然ガス」
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※このシリーズは、今、議論されている原子力発電の今後の方向性を読者の皆様ご自身に考えて頂くべく情報を提供することを目的としております。
従いまして、このシリーズをご確認後、どしどし私のフェイスブックにご意見を頂きますよう宜しくお願い致します。「天然ガスによる発電」
1.概要
・1975年には、発電に使用するエネルギー資源のうち、5%を天然ガスで賄っていた(石油58%、水力20%、原子力6%、石炭は4%)。
・オイルショックにより石油の価格が急騰(第一次オイルショック 1973年、第二次オイルショック 1979年)、石油の代替に、原子力・石炭とともに天然ガスの利用も急伸。
(年次別 天然ガス発電の割合)
1975年
5%
1980年
15%
1990年
22%
2000年
26%
2008年
28%
・輸送手段は、液化天然ガス(LNG)に加工してタンカーで運ぶ。貯蔵は大型断熱タンクに。2.可採年数
60.4年
石油についで可採年数が短い。
(参考、前回ブログにも記載)
石油
42年
ウラン
100年
石炭
122年
3.確認可採埋蔵量(1)総量
8,260億トン(2008年時点)
(2)国別埋蔵量
①ロシア
23%
②イラン
16%
③カタール
14%
④トルクメニスタン
4%
⑤サウジアラビア
4%
⑥アメリカ
4%
⑦アラブ首長国連邦
4%
⑧その他
31%
世界に広く分布している。4.天然ガスの輸入先 (財務省貿易統計)
(1)総輸入量
6,813万トン/年
(2)輸入先
日本は天然ガスを各国からバランスよく分散輸入。オーストラリア、インドネシアは石炭も輸入が多くエネルギー取引重要国。
①インドネシア
21% (石炭は19%)
②マレーシア
20%
③オーストラリア
18% (石炭は62%)
④カタール
12%
⑤ブルネイ
9%
⑥アラブ首長国連邦
⑦オマーン
5% 他
※東シナ海には日本名「白樺」のガス油田など、6つのガス田がある。
日本の経済産業省は、民間開発業者に試掘権付与手続を行っている。中華人民共和国は、排他的経済水域は沖縄トラフまでを主張し、日本の了解を得ず、独自に試掘開始。
両国間の問題として未解決。
5.問題点
地球温暖化防止の観点からは、天然ガスは石炭・石油のCO2排出量よりは少ないものの、原子力発電や太陽光発電よりは、格段に多い。
<電源別CO2 排出原単位:kg-CO2/kWh)
石炭火力
0.943
石油火力
0.738
LNG火力
0.599
LNGコンバインド
0.474
※太陽光
0.038
※原子力
0.020
6.その他
日本は、天然ガスの輸入量は世界第一位(12.1%)。
第二位はアメリカ(10.7%)。
以上
<次回のシリーズに続く>